この記事は以下のような疑問を解消する記事になっています。
・バレーボールを教えることにも少し興味あるけどコーチ資格ってどんなものかな?
・コーチ資格の研修を受ければ上手くなれるのでは?
・資格とって副業的にバレーボールコーチできる?
筆者が実際に「公認バレーボールコーチ1」資格を取得の体験をもとに書きました。
「バレーボールコーチ」とは協会認定資格を意味する
資格の観点からみると「バレーボールコーチ」とは、日本スポーツ協会と日本バレーボール協会が認定する6種類の名称を指します。
地域のクラブや部活動等に関しては資格がなければ指導できないというわけではないですが、資格取得を通して専門的な知識と技術を身につけていくことができるでしょう。
申し込む時など調べたりするなかで少し分かりにくかったのが、ウェブサイトや配布資料で資格の呼称が異なっていたことです。
(旧名称で表記されているページが多い)
(旧)日本体育協会 | (現)日本スポーツ協会 |
①スポーツリーダー | ①スタートコーチ |
②公認バレーボール指導員 | ②コーチ1 |
③公認バレーボール上級指導員 | ③コーチ2 |
④公認バレーボールコーチ | ④コーチ3 |
⑤公認バレーボール上級コーチ | ⑤コーチ4 |
①→⑤の順により高度な資格となり、基礎的なスポーツ指導からトップリーグのコーチングをする役割などの幅があります。
バレーボールコーチ資格取得にかかる期間はトータルで2年
関心をもった多くの方がまずチャレンジするであろう「バレーボール コーチ1」に関する取得までの道のりを紹介します。
実働時間としては対面での実技、座学やレポート課題への取組みを含めて1週間かかりません。
ただ最終的にコーチ資格取得者として登録ができるのは申込翌年度の10月になるため約2年かかります。
申込期限について:例年5/1~7月中旬くらいまで
「公益財団法人日本スポーツ協会」ページに登録、希望する県での受講を申込みます。
費用については県のバレーボール協会ホームページを参照してください。
注意:先着順で埋まっていきます。自分の県の受講生枠がいっぱいになると近隣県に申し込むしかありません。
(私は申し込みがやや遅く隣の県に通いました…)
共通科目受講・課題提出 (9月~11月)
NHK学園から送付されるテキストを読み、課題を提出する。
課題ですが、マークシート形式で100問あります!
専門科目(対面の座学、実技実習)受講・実技試験
のべ4日間(10:00~16:00くらい)の座学とレポート課題、実技実習および実技試験に取り組む。
※筆者の受講した2021年度についてはコロナ対応により1日目がZoomで実施となりました。
対面実技は約80名が集い、ともに学びました。
ちょうど寒くなっていた時期というのもあり、体育館での座学は、、、なかなかしんどいです。
最終日にはドキドキの実技試験も!
成績通知送付 (1月~4月)
共通科目および専門科目の成績が通知されます。
合格者には登録の案内送付 (翌年度の7月下旬~8月下旬)
翌年度に送付され、この登録をもって資格取得となります。
⇒翌年度10月1日に登録が完了
受講して学んだこと 実技試験とは!?
受講内容の詳細について書くのは控えますが、ふりかえりを兼ね学んだことを簡潔に記します。
共通科目
「コーチング」とは何ぞや、「求められる医・科学的知識」、「現場・環境に応じたコーチング」についてテキストから学びました。
種目問わず「スポーツ指導者」として求められる内容が網羅されています。
ちなみにテキストは大きくて重く、393ページとボリュームたっぷりですが私にとって印象的だったのは以下の点です。
- やっぱ人と人の対話が不可欠なため、しっかり受容や傾聴の姿勢をもとに選手の思いを「聴く」こと
- 「スポーツ権」という概念!憲法13条や25条の社会権的な要求を満たすための要素をもっていること
- 集中力を高めるトレーニングの実際については実生活においても取り入れることができ、ミスや良くないことが起こった時の「キューワード法」は改めて身につけようと思った。
例)時計を眺めて「今」から!
専門科目
☆座学 『覆されたスポーツ科学の過去の「常識」』
この内容が面白かったです。
私たちが小中高の体育や部活で覚えたことの中に、実際には根拠がなく、覆されたことが複数あります。
✕:ねん挫のアイシングは1回20~30分を休みながら3日間続ける
〇:1回10分を2回行う(冷やし過ぎると炎症や血流を抑え過ぎて自然治癒を遅らせる)
△:「アップでケガを予防できる」は根拠なし
動的ストレッチ:パフォーマンスを上げる!(アップで運動に最適な体温になると、スピードや持久力が向上)
静的ストレッチ:可動域を広げる!(1か所20秒以上続けると瞬発力やスピードは低下傾向)
☆実技 初心者への導入法と指導の基礎が中心
参加者同士和気あいあいと動きながら学べるのですが、ちょっと人数が多すぎるのではないかと思いました。(80名ほど)
「教える」ためには言葉で伝え、動き、自分で変化を感じてもらう必要があるため、伝達力、実技力が不可欠ということを痛感です。
また、救急法のなかで足首へのテーピングを相互に実施してみたのも初めての取組みで興味深かった。
その他、海のない県でもビーチバレーコートがあるなど普及に力が入れられていることに目新しさを感じました。
実技試験
さて、気になる実技試験ですが、地元の中学生チームの協力をもとに行われました。
全員が見ている中なのでなかなか緊張感があります。
あくまで「コーチング」のための実技試験なので、選手にとって効果的な練習になるような技術が問われます。
例えばレシーブ・ディグの練習のためにコーチはボールを打つのですが、ボールは選手にとって常に見やすく示し、ポイントを正確に狙う技術が必要となるのですね。
自分がプレーする際は相手にコースを予測させないように打つのですが、「レシーブ」の練習には分かりやすさと正確性が求められました。
筆者はというと、、、緊張で顔が引きつりながら何とかできたような気がしています。。。
何が得られる
さて、「バレーボールコーチ1」の養成講習会についてまとめてきましたが、筆者が実際に感じた「得られるもの」としては以下2つになります。
・参加者との交流による練習試合のマッチング
参加者は小、中学校でバレーボールを教えている教員の方が最も多いようでした。
ちょっとしたグループワークの時間には互いに部活の事情や練習試合のマッチングをしていました。
近隣でのつながりとして心強いのではないでしょうか。
また、主管は所在県のバレーボール協会であり、担当者は親身に「バレーボールに関することは何でも聞いて」というスタンスのため、何かと相談できそうです。
・バレーボールの専門知識
コーチ1はまだまだ初級といったところなのでしょうが、時間をとって、書籍を購入してまでスポーツとしてのバレーボールのことを知る機会は得難いものです。講師はどの方も専門家として圧倒的な経験をもった人が揃っていました。
そして総じて参加者がバレーボールを大好きであるという環境、、、よりバレーボールを好きになってしまいますね。
バレーボールコーチ資格についてまとめ
まとめてみます!
- バレーボールを教えることにも少し興味あるけどコーチ資格ってどんなものなの?
⇒実働1週間、資格取得完了までは2年弱!という気長な資格ですが興味深い講習会と思います。
- コーチ資格の研修を受ければ上手くなれるのでは?
⇒実技といっても初心者への導入法や基礎指導の方法ですから、経験者の具体的なスキルアップにはつながらないでしょう。
(もちろん基礎を再確認でき、説明できるレベルになるという上達は見込めます)
教えてもらって上手くなりたいという方はバレーボール有料レッスン体験記事をご参照ください!
- 資格とって副業的にバレーボールコーチできるかな?
⇒資格が必須ではないですが、例えば名古屋市では小学校のスポーツ活動の指導や支援を募集しています。地域の小学校で、子どもへの指導や支援を通してバレーボールのコーチングを経験していくこともできます。
講習で学んだことを実践させてもらう場としても、地域貢献としても貴重な時間になると考えられます。
おまけ
対面講習時の服装ですが初日は驚くほどブラック系が多く、派手な色による指名(「そこの赤いあなた」など)を回避する傾向にあったのではと訝しんでいます。
(青いシャカシャカで目立っていた筆者)
コメント