この記事は以下のような疑問を解消する記事になります。
部活動の外部コーチになるには?
バレーボール部活動の頻度、時間、指導の実際
外部コーチとして感じる課題とは
筆者が実際に中学校バレーボール部の外部コーチとして指導を開始した体験をもとに書いています。
(2022年秋頃~)
※中学校の部活動指導について、「外部顧問」や「外部指導者」「外部コーチ」という言葉がありますが本記事では「外部コーチ」で統一しています。
中学校の部活外部指導者になるには地域(中学校)のニーズによる
人材バンクへ登録していると教育委員会から連絡がくる
筆者はバレーボールコーチ資格取得[別記事参照]後、指導することに関心があったため、地域の「部活動人材バンク」に登録していました。
登録後すぐに小学校のバレーボールコーチの声かけがありましたが、その時は諸事情でお断りしました。
数か月後、市の教育委員会から電話があり、ある中学校の部活動指導をしてもらいたいと要請があり、引き受けることになりました。
手続き上、教育委員会の採用試験を受け正式採用後に外部コーチとして指導を開始するという流れです。
採用試験においては「コーチ資格」の有無は関係ないと考えられます。
むしろ競技経験や指導歴等に重きを置いている印象でした。
学校の部活動指導について、地域のクラブや人材を活用していく仕組みがまさにできている段階です。
☆「バレーボールコーチ」資格の意味☆
筆者の場合は大きな大会で好成績を収めたわけではなく、好きで長く続けてきたことが強みでした。
その一方でバレーボールの指導は初めてであったため不安がありました。
コーチ資格の研修で学んだこと(初任者用ではあっても)で、少しは自信をもって試験や実際の指導に臨むことができたと思っています。
外部コーチは部活動顧問の経験によってニーズが生じる
中学校教諭の多忙ぶりは度々ニュースで取り上げられている通りで、聞きしに勝るかなりのハードワークです。
通常の学校業務、担任としての仕事等に加え部活動顧問を任されるわけですが、その際それまでの競技経験と必ずしも一致するわけではありません。
学生時代に柔道をやっていた方が、バスケットボール部を担当するということもあるのです。
客観的にみればこれは生徒側にとっても教員側にとってもなかなかしんどいことです。
生徒からすると関心があったり、好きな競技を、仲間とともに練習することで上達を目指しているわけですが、求める指導が得られないわけですから。
教員からしてもわからない競技を指導することは仕事とはいえ難しいことですし、大会等では審判をする必要があります。
一定レベルでの競技理解と責任を担うことになり、大きな負荷になることが考えられます。
そのため、競技を指導できるある程度の知識と経験のある外部コーチを招き、この部分を補うことで、生徒と教員にとってのメリットがあるのです。
外部コーチとしてのバレーボール部活動指導の実際について
筆者が担当する中学校の部活動は、平日4日、土日に1日程度です。
平日は15時頃~下校時間までの2時間半ほど、土日は午前か午後の3時間程度です。
そのうち、外部コーチとして指導するのはおおよそ週に2回で5時間程度となりました。
上限としては月に20時間程度となっていました。
顧問の先生と相談、調整して指導する日程を決め、体育館で部活指導をしています。
外部コーチとして指導し始めて感じる課題とは
以下、筆者のが今課題と考えていることです。
中学校での部活動練習のノウハウ(経験知)がない
筆者の場合、中学-高校のバレーボール部活動を経験していないため、中学校での練習ノウハウがない状態のスタートでした。
また部員が想定よりも多く、一つのコートで効率的な練習をするための方法を顧問の先生、部員のみなさんと考えていくことが必要です。
限られた時間のなかで基本技術を身につけ応用技術も高める
筆者が外部コーチをしている中学校は、事情により一般的な部活動よりも練習時間が少ないです。
そして顧問の先生はバレーボール経験が全くない中指導をされてきました。
そのため、中学校からバレーボールを始めている部員(つまりほぼ全員)が基本技術を身につけられていません。
基本技術がないまま実践に近いメニューをすると、ボールがつながらず、ほとんどラリーが続きません。
野球で例えると、キャッチボールができない状態でノックを受けたり試合をするということになります。
これでは生徒も競技の面白さを感じられないことでしょう。
対外試合をするとこれまでの蓄積の差が顕著に表れてしまいました。
(大差で敗れる。。。)
なかなかの課題ですが、これからの練習でどれだけ積上げていくことができるか、楽しみです。
そしてもちろん強みもあり、(おそらく)上手くなることにどん欲で、伸びしろが大きい、いや伸びしろしかないと言えます。
課題を達成する方法
生徒とともに練習目的、目標を設定する
実際に部活指導をするようになって、徐々に焦りを感じるようになりました。
先に述べたように、基礎技術の習得ができていないけれど部員は実践的な練習をしたがります。
基礎練習の意味や重要性を説明しながら指導をしているつもりですが、不満が募っているのを感じます。
またバレーボールでは欠かせない、「声を出す」意味や方法も0から教えていく必要がありそうです。
ある日から外部コーチが来るようになったけれど、地味な基礎練習が多くすぐには上達を感じられないため、これまでの方が良かったと思う生徒もいるでしょう。
そこで、部のキャプテン、副キャプテン、顧問の先生と外部コーチである筆者の四者で、バレーボール部の練習目的、目標を話し合うことになりました。
もっと早くにこの場を設定すればよかったと思っています。。。
基礎練習ドリルをつくり、個々人がステップアップしていけるよう練習方法を
話し合いで、生徒たち自身が考えるバレーボール部での目的、目標がどのようなものになろうとも、基礎技術を身につけるための練習は不可欠です。
バレーボールはレシーブ、トスができて初めてスパイク(攻撃)につながり、攻守の応酬がゲームとなります。
アンダーハンドトスとオーバーハンドトス、スパイクの基礎を身につけるためにはそのための練習を、段階を踏んで数多く取り組む必要があります。
これまでできていなかった、この基礎練習を、わかりやすく、自分たちで続けていくことができるように示し、漢字ドリルのように取り組んでもらえるメニュー作りを考えています。
例)①オーバーハンドトスを至近距離の壁で10回連続できる
②オーバーハンドトスを1歩離れた距離から壁で10回連続できる
③オーバーハンドトスを直上(1mほど)にあげ5回連続できる
④2人組2メートルの距離でオーバーハンドトスを10回連続できる
⑤2人組3メートルの距離でオーバーハンドトスを10回連続できる
※①が達成できたら②へ進む
体育館が使えない練習日にもこのようなボールを使った基礎練習をしてもらい、段々と上のレベルのメニューにチャレンジ、応用練習、試合形式の練習につながっていくような構成をイメージしています。
基礎を固めつつ応用練習をしていくためには、個々人での取り組みも重要で、そのために必要なことを理解したうえで体育館での練習、体育館以外での練習をしてもらえたらと考えました。
試合での勝利を目指すためにはこの時間が大事かと思っています。
動画がとても参考になる
バレーボールの基礎練習、応用練習どちらについても、YouTubeやInstagramでは多くの動画が挙がっています。
動画だからこそ理解しやすく、解説も的確で素晴らしいものばかりです。
参考になるため非常に有難いのですが、筆者が今の中学校の部活指導で必要なのは、バレーボール初心者が基礎技術を身につけるための超基本メニューであり、その具体的な内容や回数、ステップアップの目安です。
この超基本メニュードリルについては、webや動画等では発見できなかったため、書籍で探していますが、ちょうど良いものをまだ見つけられていません。
超基本メニューの次の段階として、応用メニューは動画の練習方法を多くやってみたいと思っています。
まとめ
今回は外部コーチとしてバレーボールの部活動指導を開始した際に感じていることを書いてみました。
まだ始まったばかりですが、外部コーチとして関わる際に肝心なこととして、指導開始時の生徒、顧問、外部コーチの双方向コミュニケーションかと思います。
競技上達のため生徒自身が何を求めているのかを自覚してもらい、日々の練習への取り組み方を三者で確認するところからが始まりかなと。
そして、外部コーチが求められるのは基本技術指導が必要な場合がほとんどで、その際には数値目標等による具体的な練習内容が示された教本が必要になるかと考えられます。
そのためのバレーボール基礎練習ドリルを作成中で、随時公開していきたいと思います。
競技は違えど、外部コーチが必要とされる経緯には共通点がありそうですので、本記事が新たに部活動に携わる方の参考になりましたら幸いです。
コメント